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晩酌のつもりが、いつの間にか寝酒が癖になり止めることができない。そんな悩みをお持ちの方もいるかもしれません。
一見、寝酒で寝入りがよくなると思いきや、実は逆に睡眠不足を悪化させることがあります。
今回、アルコールと睡眠の関係性を管理栄養士が解説するとともに、晩酌で飲みすぎない方法も紹介します。
晩酌を楽しんでいると、いつの間にか寝てしまった。そんな偶然からの経験を繰りかえすうちに、寝酒が習慣になってしまうこともあります。
適量のお酒は、仕事や人間関係のストレスを和らげ、気分転換になりますが、飲むタイミングや量を間違えると睡眠の質を悪くするだけでなく意識障害なども生じるため、注意が必要です。
厚生労働省が掲げている健康づくり運動「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酒は、1日平均純アルコールで約20g程度」としています。純アルコールで約20gのお酒の量とは
といった分量となります。
晩酌の量と比べていかがでしょうか。缶ビール350ml缶を2缶開けると、上記の量を超えていることになりますね。
アルコールは寝つきを早める傾向があるものの、眠りを浅くする働きがあるのをご存じでしょうか。 アルコールの摂取は、夜間や早朝の目覚めを起こしやすく、結局は睡眠不足に陥りやすくなります。
アルコールによる寝つきの効果はせいぜい3~7日程度で効き目が薄くなっていきます。
そのため、その後はさらに寝酒の量を増やしていくことで、入眠を試みる方もいるかもしれません。
また、そのような状態で、就寝前のアルコールが習慣化すると、今度は、休肝日を設けたときの反動で寝つきがさらに悪くなることもあります。
アルコールがないと寝ることができないほど寝酒が習慣化すると、アルコールを止めたくても止めることができない悪循環に陥ります。 アルコールに依存する状態が続き、依存症となった場合、うつ病などを併発する可能性も上がり、不眠をさらに悪化させてしまうこともあります。
著者:ウィリアムズ早苗(うぃりあむず・さなえ))
管理栄養士。大学卒業後、食品会社にてメニュー開発を経験。現在はオンラインでの栄養指導や、メディアでの執筆をおこなっている。 私たちが抱える、食や健康に関しての問題点に注目し、解決の糸口となるようなお手伝いをすることをモットーにしている。
【参考文献】
「寝酒について」(国立精神・神経医療研究センター)
http://sleepmed.jp/platform/entry9.html(アクセス日:2020年7月4日)
「アルコールの作用」(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-003.html(アクセス日:2020年7月5日)
「アルコールと睡眠」(日本大学医学部附属板橋病院 睡眠センター)
https://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/itabashi/sleep/column.html(アクセス日:2020年7月5日)
「健康づくりのための睡眠指針 2014」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf(アクセス日:2020年7月19日)
「健康日本21(アルコール)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html#A54(アクセス日:2020年7月19日)