睡眠の質を下げない!上手なカフェインとの付き合い方

「今日中に仕事を終わらせるぞ!」とバリバリ働く人や、疲れた頭をホッとさせたい時の強い味方であるカフェイン。
しかし、カフェインには覚醒作用があるため、摂り過ぎてしまったり、摂る時間が良くないと不眠に繋がることはよく知られています。
そこで、カフェインが不眠を引き起こす理由と、睡眠の質を下げないカフェインとの付き合い方についてお伝えします。

カフェインが眠気をブロックするのはなぜ?

コーヒー

コーヒーや紅茶に含まれているカフェインは、頭がスッキリして目が覚めるなど、覚醒作用があることが有名ですよね。カフェインに覚醒作用がある理由は、眠気を誘うアデノシンの働きを阻害するからです。 アデノシンが神経細胞の受容体に結合すると眠くなります。しかし、カフェインはアデノシンの構造と似ているため、受容体にカフェインが結合してしまいアデノシンが結合できなくなります。その結果、眠気がブロックされるのです。
カフェインは適量であれば問題ないのですが、過剰に摂ってしまうと不眠症といった睡眠障害を引き起こす可能性があります。
よく眠れないなと不眠に悩む方は、もしかしたらカフェインが原因かもしれません。

食品にどのくらい含まれているのか?

カフェインが含まれている量は原材料の種類や抽出方法によって異なりますが、 100mlあたりに含まれているカフェイン量の目安として、内閣府食品安全委員会が出しているファクトシートによると

  • ・コーヒー 60mg
  • ・紅茶 30mg
  • ・ウーロン茶 20mg
  • ・ほうじ茶 20mg
  • ・煎茶 20mg
  • ・玄米茶 10mg

と、コーヒーは紅茶の2倍と、カフェインが多く含まれています。
また、エナジードリンクや眠気覚ましをうたった清涼飲料水は1本あたりカフェイン含有量が36~150mgと、製品によって異なりますが、コーヒーよりも多く含むものもあります。

カフェインとの上手な付き合い方~1日の適正量を守る

コーヒーをのむガール

カフェインを摂り過ぎてしまうと不眠症などを引き起こしてしまいます。そのため、カフェインを摂り過ぎないこと、すなわち適量内におさめることが大切です。
しかし、カフェインを1日にどの位まで摂って良いのかという明確な基準は、日本ではまだ作られていません。
そこで、海外の基準を参考にすると、欧州食品安全機関(EFSA)が2015年に公表した「カフェインの安全性に関する科学的意見書」では、 健康な成人であれば習慣的なカフェイン摂取量は1日に400mg以内であれば健康障害を起こすことはないとしています。 コーヒーであればコーヒーカップ(150ml)で4~5杯程度です。エナジードリンクなどを飲む場合は、製品に記載されているカフェインの量を確認するようにしましょう。

摂るなら就寝時刻の4時間前まで

カフェインは摂ってから30分~1時間後に血中濃度がピークとなりますので、寝る前にカフェインを摂ると眠れなくなってしまう可能性があります。 血中濃度は3~5時間後に半減するため、睡眠の質を下げないようにするためには、遅くとも就寝時刻の4時間前からはカフェインを摂らないようにすると良いでしょう。
また、カフェインには利尿作用があるため、就寝前に摂ってしまうと夜中に尿意で目覚めてしまう可能性があります。就寝時刻が23時であれば19時以降はカフェインを摂らないようにするなど、 ご自身の就寝時刻に合わせて調整しましょう。

《飲み物以外にもカフェインは含まれている》ここで注意したいのが、メイン時計とサブ時計のズレを生じさせないことです。そのためにも。朝起きたら太陽の光を浴び、 起床後1時間以内に朝食を食べるのが理想です。

飲み物以外にもカフェインは含まれている

チョコレート

コーヒーやエナジードリンクなどに比べると、カフェインの量は少ないのですが、チョコレートにもカフェインは含まれています。 特に最近ではカカオ含有量の高いチョコレートが人気を博していますが、高カカオチョコレートに含まれているカフェイン量は、普通のチョコレートの2.3~4倍と多く含まれています。 ほっと一息つきたい時には、カフェインが多いコーヒーと一緒にチョコレートを食べることがありますが、その際はコーヒーも高カカオチョコレートも摂り過ぎないように注意しましょう。

覚醒作用を上手く活用して不眠を防ぐ

コーヒー

カフェインが持つ覚醒作用と、不眠にならないためのカフェインとの付き合い方についてお伝えしました。 覚醒作用は悪いことばかりではなく、昼寝の前にコーヒーを飲むなど、覚醒作用は上手に利用すれば夜間の睡眠の質の向上に繋がります。 また、カフェインの作用に対する感受性は個人差が大きいため、過剰摂取による副作用が出ない方もいますが、不眠に悩んでいる方は、カフェインの量と時間に注意して、上手く付き合っていきましょう。

著者:河村桃子(かわむら・ももこ)

管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、 栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、 レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。

【参考文献】
「睡眠リズムを整えるには」(国立精神・神経医療研究センター)
http://sleepmed.jp/platform/entry4.html

「睡眠・覚醒リズム障害」(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-006.html

「メラトニン」(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-062.html